従来のフォトニクスは、半導体工場のような巨大インフラと「永久不変」の無機材料を前提としてきました 。しかし我々は、その固定観念を打破し、机上のプリンタで誰もが光デバイスを印刷できる「Table-top Fabrication」の世界を目指しています 。
九州大学 吉岡研究室では、ソフトマテリアル(有機材料)を起点に、光の粒子性と波動性をシームレスに繋ぐ「有機コヒーレントフォトニクス」を展開しています。単なる既存素子の模倣ではなく 、インクジェットによる液相からの自己組織化 や、ナノスクラッチを用いたマスクフリー加工 、そして無機導波路とのハイブリッド集積 により、シリコンフォトニクスに匹敵する全く新しい光アーキテクチャを開拓しています 。
堅牢な無機基盤と、柔軟な有機機能の融合。この確固たる土台の上で、我々は今、次世代の光工学に向けた「新たなパラダイム」の立ち上げを準備しています。
巨大インフラを必要としない「オンデマンドな光回路生成」。独自のインクジェットおよびナノディスペンス技術により、液相からの自己組織化を利用し、原子レベルの平滑面を持つ微小光共振器を直接描画します 。室温・大気下での極低閾値レーザー発振を実証しています 。
プラズマや真空装置に依存しない「局所プロセスの革新」 。マイクロニードルからの送流を用いた液相フローエッチング や、探針によるナノスクラッチ加工 により、レジストやマスクを一切使わずに光の振る舞いを物理的に制御する構造を刻み込みます 。
シリコンチップ(無機)と有機材料のシームレスな融合 。Si3N4導波路等の上へ、インクジェット印刷法などを用いて直接有機デバイスを形成することで、高性能な微小レーザーや光共振器の高効率なハイブリッド3D集積を実現しています 。
単なる既存技術の代替ではない、新たな光機能の創発 。特殊な回折格子を実装した時計・反時計回りの単一方向性制御(Chiral light)や 、有機無機ハイブリッド集積によるベッセルガウシアンモードの生成など 、複雑な光波や光渦(Optical vortex)をチップ上で自在に操ります 。
「力(Power)」の限界から、「緻密(Precision)」への転換。
私の研究人生は、巨大なYAGレーザーの開発から始まりました 。圧倒的なエネルギーを追求する大規模な装置産業に触れる中で、私の内に芽生えたのは「より柔軟で、より身近な光技術」への渇望でした 。
その後、ドイツ・ミュンスター大学での研究留学などを経て 、私の視座は「巨大な光」から「極微の世界」へとシフトしました。現在私は、巨大なクリーンルームインフラに依存する従来の光集積回路の限界を打破し、「インクの一滴」に光を閉じ込める極微細な制御技術(Table-top Fabrication)に、次世代の光の未来を見ています 。
Join the Vanguard: 共に光の常識を覆そう
九州大学 吉岡研究室では、「永久不変」という既存のデバイス概念に挑み、全く新しい光アーキテクチャを共に創り上げる熱意ある学生を募集しています。
先生と学生という枠を超え、未知の領域に共に挑む「相棒(サイエンスパートナー)」としてフラットに議論できる環境を何より重んじます。レーザー工学、集積フォトニクス、ソフトマテリアル。これらを融合させ、世界を驚かせる次世代の光工学をここから発信しませんか。
見学・共同研究のご相談は随時受け付けています。
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九州大学 伊都キャンパス ウエスト2号館